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びゅりほでぃず(ブログ版) (12)

 いそいそとデートに出かける瑞穂を寮生3人は玄関で見送った。
「お待たせ」

 瑞穂が待ち合わせ場所に行くと、拓美はやはり先に来ていた。

「い…や、来たば…っかり」

 そう言いながら、拓美は瑞穂を見てドキドキし始めた。やっぱりかわいい。色っぽい。女らしい…女…それいいのか?瑞穂は男… そうお逡巡するが、瑞穂の一挙手一投足に目が奪われる。

「な…なあ、公園に行ってみないか?」
「…うん」

 駅の南口にある大きい恩賜公園に歩いていく。ここは人気が少ないと言っても隣町のような危険さは少ないし、なにより恩賜公園であるため、それなりに警備もされているので暴行事件はおこりにくい安全な場所だった。

 やがて、公園の池のほとりに出ると二人はベンチに座る。拓美は瑞穂がすわる場所にハンカチをさっとひくという技も覚えた。

「ありがとう、ごめんなさい。こんなスカートじゃなくてもっとデニムみたいな気を遣わない素材のにすればよかった?」

「い…いや、すごい似合ってる」

「ね。ねえ。先週の事なんだけど」

瑞穂がもじもじしながら、拓美に聞いた。聞かれた方ももじもじしている。

「えっ…な…何かな?」
「た。拓美にキ…キスされたけど、わたしの事…す…好き?」

 瑞穂は真っ赤になりながら、拓美に尋ねた。

「お、おう。好きだ」
「友達として?」
「友達として…いや…違う…それ以上かも」

ドキンドキン、瑞穂の胸は高鳴った。

「ねえ、今日はわたしに付き合ってっ」

 さらに真っ赤になると、すっくと立ち上がり、ハンカチをたたんで拓美に渡しながら、そのままハンカチを間に挟んだまま拓美の手を引っ張った。

「お、おい」

 拓美が問いかけても瑞穂は無口だった。しょうがないので拓美も押し黙った。
 瑞穂はそのまま、拓美の手を取ると公園の外れにあるブティックホテルにやってきた。ボタンで部屋を決めるシステムのホテルなのでフロントには人が居ない。
 少女趣味っぽい部屋のボタンを押すと鍵が払い出し口から出てきた。それをつかむと、電光掲示板の指示に従って二人は部屋に入る。
入り口で靴を脱ぐ為に手を離した。拓美の手の中に残されたハンカチはどちらの汗のせいかは判らなかったがじっとりとしていた。
 靴を脱ぎ、バッグを置くと、瑞穂はいきなり拓美に抱きついた。

「わたしも、あなたの事が好き。大好きになっちゃったの。自分でもおかしいと思うのだけれどあなたのことが大好きなの!」

 瑞穂はそう言いきると、拓美にしなだれかかった。拓美は瑞穂を思いっきり抱きしめてそれに応えた。
 興奮のあまりした抱擁が済むと、二人はベッドサイドに腰掛けて話し出した。

「なあ、瑞穂。俺…お前の事が男だって判っているのに、いつもお前のことばっかり考えちまってるんだよ。くそっ!こんなんじゃ、俺おかしくなっちまうよ!」
「それはわたしだって、同じ…。毎日毎日女の子の格好して、女の子として振る舞って、女の子として生活してたから、女の子として拓美を好きになっちゃったんじゃないのかな?そう考えるとおかしくなっちゃって、自己嫌悪に陥ってた。なのに、身体は別のことを考えてる。拓美にギュッと抱きしめられた時のあの力強い腕のこと。拓美にキスをされた時のあの唇の熱い感覚。夜、布団に入ると身体が拓美の感触を思い出すのよ」
「それは、俺も同じだよ。瑞穂の甘い声。瑞穂の甘い唇。瑞穂のかわいい目。自分の部屋でお前のことを思い出すだけで、身体が熱くなるんだ。…瑞穂」

 そう言うと拓美は瑞穂を抱きしめた。ドキンドキン!瑞穂の心拍数が跳ね上がった。顔がかぁあああっと火照りだし、胸がキュンとして、なにか萌え出づるものが出てきたような気がした。

 瑞穂は拓美を見上げるように顔を上げ、そして何かを期待するかのように目を閉じた。拓美は瑞穂を抱き寄せると、最初は遠慮がちに、しかしだんだんと力強く口をむさぼるように吸い続けた。

『んちゅ。ん…ちゅぱ…ちゅぱ』
『むぐ…あ…んはぁ…くちゅ…ちゅば』

 拓美は瑞穂と舌を絡めてキスを続けた。拓美の舌が瑞穂の口の中で暴れまくる。歯の裏の付け根の敏感な部分を優しく舌先で愛撫されると、急に瑞穂は腰に力が入らなくなってへなへなと崩れ落ちそうになった。
拓美はそんな瑞穂の変化を見逃さずに瑞穂を抱きかかえた。

『はぁはぁはぁ』

 瑞穂は息が上がってきている。キスだけで気をやってしまいそうだった。拓美はやさしく瑞穂の髪に手をかけた。

「なあ、本当に俺なんかでいいのか?」
「俺なんかじゃない!拓美だからっ!ねえ、自分に自信を持ってよ。それともわたしが信用できない?」
「い…いや、うちの学校じゃ俺は女にはモテない君だったからなあ」
「あのね、わたしの…恵泉の先生がこう言ってたの。『男だから。女だから。で好きになるのじゃないのよ』って。『たまたま好きになった人が同性だった。』ただそれだけ」
「それって…」
「うん。その先生の体験談」
「ふはぁ。女子校の先生って、すげえな。そうか。俺が好きになった瑞穂は、男も女も関係ねえ、ただの瑞穂だもんな。その先生に感謝しなくちゃな」
「うん、拓美に抱きしめられて、思い出したのね。わたし何迷っていたんだろうね。開正にいたままだったら、きっと単なる良い友達で一生終わってたかもしれない」
「人が人を好きになるって、そんなに複雑なことじゃ無いんだな…」
「でも、その好きになる想いは、とてもとても大事なこと…」
「瑞穂…、俺はお前が欲しい。お前のすべてを」
「うれしい。わたしもあなたに…」

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