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びゅりほでぃず(ブログ版) (3)

「お姉さま。ガーターベルトとストッキングがありますなのですよ。これは大人の女性っぽいアイテムで奏あこがれちゃうのですよ~。お姉さまや紫苑お姉さまみたいな大人っぽい人じゃないと似合わないので、奏もいつかはこういうのが似合う女の人になりたいのですよ~」

「奏ちゃんだと少女っぽいフリフリなリングガーターとかになっちゃうものね」

 ファッションにこだわりを持つまりやはさっそく奏ちゃんに指南を始める。

 自分の好みのデザインを自分にあてたりしながらもしっかりと瑞穂に似合いそうな(もっとも各人の趣味は丸出しな)商品を持ってきては瑞穂の制服の上からあてがっては瑞穂を恥ずかしがらせる。   

 極めつけは紫苑がうきうきと持ってきた3点セット(ブラとショーツとガーターベルトの3つ)だった。紫苑は嫌がる瑞穂に向かって嬉々としてランジェリーセットをあてがった。

「あのー、紫苑さん? このブラジャーにはその…胸のカップが…ありませんけど」

「あら、そうですわね。そういうデザインなのでしょう。でも大丈夫みたいですわ。ほら、ココにちゃんとサポートワイヤーが入ってますから、バストのサポートは安心ですわ」

「あのー、紫苑さん? このショーツはヒモしかないのですが…それに大事な部分にはなんかお団子みたいにヒモが2つほど結んでありますが…」

「まあ、そういうデザインなのですね(にっこり)」

「あのー、紫苑さん? これをわたしに着けろとおっしゃるのですか?」

「まあ、やっと気がつきましたの?うふふ。お似合いですわよ」

「あのー、紫苑さん? わたしの事情をご存じの上であえておっしゃっているのでしょうか?」

「あら、そういえば。すっかり忘れておりましたわ」

 そういうと紫苑はコロコロと笑った。その笑顔は瑞穂をがっくりと落ち込ませた。

「で、由佳里ちゃんと奏ちゃんは、このフリルのかたまりのランジェリーですか?」

 瑞穂は、期待に満ちたわんこのような目で二人から見つめられる。こくこくと首を縦にふる二人。

「…わかりました。当ててみましょう」

 そういうと瑞穂はブラジャーとショーツを自分の前に当てて二人に見えるようにした。

「うっわー、お姉様お似合いです。」

「甘ロリもお似合いになるので、こういうのも大丈夫と思ってましたが、やっぱりお似合いなのですよ~」

 二人は興奮しきりだ。

瑞穂のげんなりしかかった表情を見て取って、紫苑が瑞穂にそっと耳打ちした。

「瑞穂さん、このフロアには男性の方はほとんどいらっしゃらないので、恥ずかしがることはありませんわ」

「そうは、言いましても…(言えない。男としては女性の目の方が気になってるなんて言えない!)」

「みーずほちゃん、あんまりもじもじしてる方が変に思われるわよー」

「わ…わたしは、これでいいからー」

 瑞穂はそういって、シンプルなデザイン、つまりフリルなどの過剰装飾がないオレンジ色の、チェック模様のブラパンセットを握りしめると逃げるようにレジに向かって走っていった。

「あーらら、紫苑さま~。ランジェリー選びの楽しみを覚えてもらうまでには、まだまだかかりそうですわねえ」

「そうですわね。女性ならではの嗜みを、覚えていただかなくてはいけませんわね。また、かわいらしい瑞穂さんも愛でてみたいですわね」

「瑞穂ちゃんったら、すごく遠いレジまで行っちゃったみたいですね。はぁ。今日はここまでですね。残念っ!」

 どこかの売れなくなった芸人の決めぜりふみたいな事を言って、まりやたちは瑞穂を追いかけた。

 ランジェリーフロアでの買い物をすますと、みんなでファンシーグッズ売り場で行った。

 この売り場で一番興奮していたのが、紫苑であった。

「あのー、紫苑さん? 大丈夫ですか?」

 今日何度目の「あのー、紫苑さん」だろうか。紫苑は子供のような目をして振り向いて叫んだ。

「だって~、みんなかわいいんですもの~」

 お金に余裕があれば、店ごと買い占めかねない勢いであった。幸い? なことに紫苑はお小遣いはそんなに貰っていないようだったので、買い占めはあきらめたようだったが、実にくやしそうな雰囲気であった。

 まりやの希望でその後セレクトショップを冷やかして歩いた。

セレクトショップというのは店主が、売る物を自分のセンスで選んで並べるのでセレクトショップと言う。店によって、オーナーのセンスが違いがはっきり出るので、ファッションに疎い男の瑞穂でも感心することしきりだ。

「うーん、どれもいまいちね」

「おー、ファッション評論家のまりや先生のお言葉は違うね~」

「なによ、瑞穂ちゃん。どの店もセンスがいまいちじゃない。そんなこともわからないの?」

「ひぃいいい。まりやってば怖いわよ。第一わたしは、ファッションにあんまり興味ないし」

「女に生まれて、きれいに着飾らなければ、それは世界に対する侮辱よ!」

「あ…の…?まーりやさん?それはわたしに言ってるの?」

「あったりま…あ…にゃははははは」

「えー、まりやお姉さま、何ですかー?」

「いや、なんでもないない、由佳里もセンス悪い店と思わなかった?」

「うーん、わたしはあんまり気にしなかったですが」

「由佳里くん、ちみも着飾る事を覚えたまい」

 まりやは怪しげな日本語をあやつりごまかしを図る。

「とりあえず、もうお夕飯の時間が近いから、帰りましょうか」

 瑞穂はこの場を納めるべく提案をした。

女性向けファッションフロアからマニアさん向けフロアを抜けた先に駅の改札がある。

 みんなとしゃべりながら歩いていた瑞穂は、遙か向こうに見覚えのある団体を見つけた。

 ドキン。半年ちょっと前まで自分も着ていた、開正の制服だ。しかも、2年間同じクラスだった神村、木村、榊原、草柳の4人。瑞穂がどんなに変装したって、こいつらには一目瞭然だろう。

そもそも、化粧してるからと言ってまったく別人には見えるわけじゃないので、一発でバレる。今はともかく遭遇はしたくない。そう思った。

 瑞穂の目は非常に良い。体育祭の日に、目の良い由佳里が見えなかった一子を一瞥しただけで認識できたほどだ。相手側からはまず認識できない状態だといえるだろう。いまなら、まだ相手に気づかれる前に離脱できる。

「まりや。ちょっと…」

 瑞穂はまりやを引き寄せると、耳打ちした。

「駅のコンコースの向こう側に開正のクラスメイトだった4人組がいるのよ。見つかって声をかけられたらいろいろと問題になるから先に帰るわね」

「ん!いいわよ。瑞穂ちゃん。いくらなんでも、由佳里や奏ちゃんにバレるとまずいし、トラブルは避けた方がいいものね」

「ありがとう。まりや」

 そういうと瑞穂は開正のクラスメイトに判らないようにこっそりと、他の4人から離れて別行動になった。

「あれ?お姉さまどうしちゃったんでしょうか?」

 由佳里が瑞穂が居ない事に気がついた。

「あ、ちょっと用事があるので、先に帰るって。」

「えー、ちょっとしょんぼりです」

「由佳里~、一子ちゃんみたいな事言わないの」

(つづく)

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