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処女はお姉さまに恋してる THE MOVIE 第3回

「厳島貴子さん達の事ですね。一番高い場所にいるから天上人なのかしら」
「まあ、それもありますけど近寄りがたいエリートという意味もあるみたいですよ。もともとは宮殿にいる殿上人が変化した言葉らしいわ」

緋紗子はクスリと笑いながら言った。クラスメイトはそんな事おかまいなしに、質問を次々と投げかけてくる。
「えっと、宮小路さま~。3サイズ教えてください~」
「彼氏居るんですか~?」
「好きなタイプはどんな男性ですか~」
「ひ…緋紗子先生?コレ、芸能人への質問コーナーかなにかですか?」
「まあ、基本的に女の子は噂好きだし、特に有閑階級な人は暇だからゴシップが大好きなのよね。あきらめて質問に答えてあげて」
緋紗子はくすくす笑いながら、先ほどまですっかり忘れていた有閑階級の特性を思い出して瑞穂に語った。

「ひぃ。…えっと、3サイズですがあ…87-57-89です。身長は173センチです。って恥ずかしいのですが…」
「カップサイズは何でしょう?」
「えっと…び…Bです。すみません」
何故か謝ってしまう瑞穂。
「体重は~?」
「ええと49キロです」
「好みのタイプは?」
「誠実で、王子様みたいに気高い志がある人です」
「きゃ~!」
王子様という単語に反応する女生徒達。
「宮小路さま自身が王子様よね~」
そうささやきあう。
「すみません。もう恥ずかしさでいっぱいなので、勘弁してくださいませんか?」
「彼氏はいるんですかぁ」
「い…いませんっ!」
瑞穂は顔が真っ赤になっている。
「きゃ~。かわいい~」
黄色い声が上がる。
「はいはい、そんなに騒いでいると宮小路さんが困ってるじゃない。はいっ。そろそろおしまい。じゃあ宮小路さん、そこの空いている席に座ってね」
「はい。先生」
教室の後ろの席に座ると、隣の瑞穂と同じくらいの背丈に見える女の子が声をかけてきた。
「わたくし、十条紫苑と申します。同じくらいの背格好の女のコでとっても嬉しいですわ。仲良くして下さいね」
そういうと、紫苑はにっこりと笑った。
瑞穂が一瞥すると、身長は瑞穂とほぼ同じ173センチくらいはあるだろう。濡れ羽色といった漆黒のロングヘアが目を引く。古風なイメージの女の子であった。

当然と言えば当然なのだが緋紗子の授業は徹頭徹尾浮ついた雰囲気で散々であった。

「ホントにもう、この学院の生徒ときたら世界最高峰の学府であるという自覚が足りないわね」
生徒会長は3-Aの狂乱状態の声が自分のクラスにまで届いてきたことに憂慮した。
しかし、そんな憂慮はほんの序の口であった事を後々思い知るはめになるとは、この時の貴子には思いもよらなかったのである。
宮小路瑞穂の噂は瞬く間に広まっていった。その伝搬には御門まりやと厳島貴子との一戦が大いに関係していたからである。だが現在の院内の主な話題は、御門まりやと厳島貴子の一騎打ちの話ではなく、宮小路瑞穂が、生徒会に入り天上人になるかどうかであった。

「はぁ~。まりや、この学校どうなってんのよ?みんなおかしいよ。」昼休みになり昼食を取るためと言って休憩時間毎の質問攻めからほうほうの体で、やっと食堂に逃げ出してくると、瑞穂はぐったりとしてサンドウィッチを見つめながらため息をついた。
「まあ、瑞穂ちゃんは世間一般の普通の共学に通ってたもんね。ここはお嬢様学校。普通の学校とは違うわさ」
「でも、朝の生徒会長といい、担任教師といい、クラスメイトといいもうめちゃくちゃだわ」
「まあまあ、ぼやきなさんなって、瑞穂ちゃんあんた目的があってここに来たんでしょ。そのくらい我慢しようよ」
「ま、まりや!目的の事は誰にも言ってないでしょうね。どこから漏れるか判らないんだからね」
瑞穂は辺りを見回してまりやにささやく。

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