お姉さまの初めて争奪戦 乙女地獄変(1)
『お姉さまの初めてがいただけるのですって!? 』
この噂で恵泉女学院内は完全に浮き足立っていた。
事の起こりは三年A組におけるたわいのない会話だった。
「瑞穂さんはお料理をしたことが無いというのですか? 」
「ええ、父様の命で厨房には入ってはならぬ。と言われてまして、ずっと料理をする機会がありませんでした」
「まあ。箱入り娘極まれりといった感じなのですね」
「あは…あはは、紫苑さん? それは判って言ってらっしゃるのですか? 」
「うふふ。あら、そう言えば以前の学校でも家庭科の授業はありませんでしたの? 」
「ええ、開正は進学校だったので家庭科の授業などは、他の科目に振り替えられてしまっていたのです。テレビでも取り上げてられていましたよ」
「そうしますと、これが瑞穂さんの初体験というわけですね」
「ええ、だからどうしようかと考えあぐねているところなんですよ」
それを聞いていたクラスメイト達は、『お姉さまと同じ班になれば、初めての手料理が食べられる! 』と舞い上がってしまった。教室移動の合間やお昼の食堂やクラブ活動でどうしたら同じ班に、いや同じ班が無理ならどうしたら手料理が入手できるか相談を始めた。さらにその相談を聞きつけた他のクラスの生徒や下級生達の間にも爆発的に話は広がっていったのだ。
***
ここは恵泉のとある部屋。そう、裸電球が素敵な謎の部屋。
「同志諸君! 早速お集まりいただきありがとう。さて、現在我が校では宮小路瑞穂嬢の初めて作った料理をどうやったら食べる事ができるか喧しい状況であーる。そこでだ、我々が楽しむためにどうしたらいいかを考えていこうと思っている」
ぱちぱちぱち。
こうして陰謀は放たれたのである。
***
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コメント
新作なのですね。
続きをwktkしながら楽しみにしていますのですよ☆
投稿: みずほ | 2007年7月29日 (日) 10時15分