« お姉さまの初めて争奪戦 乙女地獄変(1) | トップページ | お姉さまの初めて争奪戦 乙女地獄変(3) »

お姉さまの初めて争奪戦 乙女地獄変(2)

家庭科実習室。そこは、通常三十名ほどの生徒しかいない場所である。
今、そこにいるのは数十名どころではなく、百数十名といったところか。
「これは、一体……? 」
瑞穂だけではなく事情をよく判っていない家庭科の先生や、話に乗り遅れた一部の生徒は絶句していた。
「私たちにもお姉さまの初めてをいただきたいのですっ! 」
「へ? それは……何の事ですか……」
瑞穂は、何が何だか判らない状態に混乱しかかっていた。
「お姉さまっ! 」
「何ですの? お姉さまの初めて。と言うのは」
紫苑が助け船を出す。しかし、今のままでは泥の船状態ですよ。瑞穂は思っていた。。
「お姉さまが初めて調理実習をなさると言うことで、その試食をさせていただきたいのです」
「ここにいる全員に食べさせるとなると、一体どれだけの量を作らなくてはならないのかわかりませんわね」
「紫苑さぁん。そんな他人事みたいな……」
「あら、瑞穂さん。私ではなくて瑞穂さんの事ですから当然ですわ」
そう言うと紫苑は、にこやかに微笑んだ。華麗に助け船は轟沈した。

「お、お姉さまっ! 」
生徒会長が騒ぎを聞きつけて登場した。
「貴子……さん」
「こ、これは一体何事ですかっ! 各人ホームルームへ戻りなさい」
そう、威厳を持って警告を発した。
「生徒会長。会長はお姉さまの手料理を食べてみたいとは思われないのですか!?」
「え。お……お姉さまの手料理……。ぴゅ。ぴゅるる。ぴゅるるるるー。ばたっ」
何か愉快な効果音を出しながら、貴子は大量の鼻血を出しながら倒れた。
「か、かいちょおおおおおおお」
貴子の金魚のフン1号の君枝が、倒れている貴子を揺さぶった。
「私としたことが……」
貴子は薄れ行く意識の中。心の中で地団駄を踏んだ。

それをよそ目にクラスメイトは瑞穂誘致合戦を繰り広げている。
オリンピックの誘致合戦並に、いやそれ以上の勢いで瑞穂の気を引こうとしている。

「お姉さま。こちらの班にいらしてください♪」
「いえいえ、私たちの方へ♪」
「あらあら。こちらは、料理の達人が揃っていましてよ♪」
「こちらへ♪」
「こちらへ♪」
だんだん、収拾がつかなくなっていった。

「ふっ。あなたがた……瑞穂っちは私たちが引き受けます……」
ぬうううっと瑞穂の前に下から沸いて出たのは、一目どころか二目も三目も置かれている小鳥遊圭であった。どこから出てきたんだろうと瑞穂がいぶかるよりも前に、すっと脇から出てきたのは、高根美智子と十条紫苑。この三枚ブロックは鉄壁すぎるわっ!くうぅ。と歯ぎしりをした少女が何人いたことか。

|

« お姉さまの初めて争奪戦 乙女地獄変(1) | トップページ | お姉さまの初めて争奪戦 乙女地獄変(3) »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: お姉さまの初めて争奪戦 乙女地獄変(2):

« お姉さまの初めて争奪戦 乙女地獄変(1) | トップページ | お姉さまの初めて争奪戦 乙女地獄変(3) »