みにくいアヒルの子(1)
お義姉さま。お義姉ちゃん、お義姉さん。なんて呼べばいいのかな。うふふ。
私、上岡由佳里には長らくお兄ちゃんと弟しか兄弟がいませんでしたが、お兄ちゃんがお嫁さんを貰うことになりました。
なので、私に生まれて初めて女の姉妹が出来るのです。「義理」と頭に付くんだけど、それでもうれしいんだもん。
お義姉さんは私のお兄ちゃんと同じ学校の先生のなのです。
ハンサムでもてもてなお兄ちゃんは「生徒に手を出すなよっ!」とお友達から釘を刺されていた為なのかはわかりませんが、同僚の先生をお嫁に貰いました。
お義姉さんは、女子校で陸上部の顧問をしているというスポーツウーマンだそうです。
おてんばで男の子と一緒に走り回っている由佳里には合ってるよとお兄ちゃんは言うのですが、どきどきです。
「はじめまして、由佳里ちゃん」
「はじめまして。お義姉さん」
わたしはぎこちなく挨拶したのに、お義姉さんはさらっと挨拶してすごいなと思いました。
お義姉さんはとてもきれいな人でした。ボーイッシュな私とは正反対。お人形さんみたいな素敵な人であこがれちゃいます。
わたしも、あんな風になりたいな。そう思いました。
でも、わたしには無理。オトコオンナなんだから。女の子っぽい事してたらオカマになっちゃうよ~。
お義姉さんは、お兄ちゃんが家に居ない時は、わたしに気を遣ってくれます。
「ねえ、由佳里ちゃん?かわいいな髪飾りとかつけてみない?」
「ええ~、いいですぅ。似合わないから~」
「だめよ~。女の子なんだから、一生女の子を楽しまなくちゃ損よ!?」
「だってぇ。自信ないんだもん~」
「大丈夫。パチンととめて、ハイできあがり。うん、かわいいかわいい」
お義姉ちゃんはわたしを女の子としてあつかってくれる初めての人でした。お父さん、お母さんは娘だと扱ってくれてはいますが、男兄弟の中で結構おおざっぱかつぞんざいにあつかわれているみたいで、女の子然とした扱いはあんまりされませんでした。とはいえ、日に焼けてがりがりで男の子っぽい事ばっかりしている私には似合わないんだと、なかなかおしゃれをするまでには行きませんでした。
「由佳里ちゃん、お義姉ちゃんと走らない?」
「うんっ!走る」
お義姉ちゃんは、毎朝私をさそって、ぐるっと町内を町内を回るランニングを日課にしました。
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